@article{oai:ycu.repo.nii.ac.jp:02000115, author = {佐野 大佑}, issue = {4}, journal = {横浜医学, YOKOHAMA MEDICAL JOURNAL}, month = {Nov}, note = {唾液腺癌は多彩な組織像を有し,術前診断が困難である.組織型によっては非常に不良な経過を辿るが,手術以外に根治治療が存在せず,唾液腺癌は難治性の希少癌の一つと言える.今まで細胞株樹立が困難であったことから基礎研究が大きく立ち遅れており,唾液腺癌の生物学的特徴は十分に解明されているとはいえない.  近年開発されたオルガノイド培養法では,従来の二次元培養に比べてより生体内組織に近い環境を反映することが可能となり,今まで細胞株樹立が困難であった癌腫についても初代培養が可能となった.筆者らはこのオルガノイド培養法と,腫瘍内の不均一性が保たれるPatient-derived xenograft (PDX)モデル技術を用いて,唾液腺癌手術検体より複数の組織型からなる患者由来オルガノイド,患者由来PDX, PDXモデル由来オルガノイドの作製に成功した.さらに樹立したオルガノイドを同所性移植することで唾液腺癌マウスモデルも作製可能であった.これらの唾液腺癌モデルは元の腫瘍の組織学的,遺伝学的特徴が再現されており,作製したオルガノイドを用いたin vitro での薬剤効果評価,PDXモデルを用いたin vivo での薬剤効果評価が実現可能であった.このオルガノイド培養法とPDXモデルを用いたアプローチは,唾液腺癌のように適切な前臨床試験モデルが存在せず新規治療薬開発が行われてこなかった悪性腫瘍の個別化治療開発に有用と考えられた.本総説では本研究に対するこれまでの取り組みについて述べたい.}, pages = {607--612}, title = {オルガノイド培養法,患者腫瘍組織移植モデルによる 唾液腺癌に対する個別化治療開発}, volume = {74}, year = {2023}, yomi = {サノ ダイスケ} }